製造過程

「絹」をつくるのには、時間と手間がかかります。「絹」のもと、繭をつくる蚕は、生れてから4回の脱皮を繰返し糸を吐く大きさにまで成長します。
1令から3令までは、共同飼育場で専門家の手により、桑の葉を主原料とした人口飼料で育てられます。
このあと各養蚕農家に配蚕された蚕は、桑の葉を餌にして生れた時の一万倍の大きさに成長し、約2昼夜かけて糸を吐きつづけ一粒の立派な繭をつくりあげます。
この間約1ヶ月、関係者は蚕室の温度湿度管理、清掃作業、桑園から桑葉の収穫作業等、小さなか弱い生き物相手の不眠不休の作業が続きます。
そして、この大切な餌になる桑の木は、20年に一度の割合で改植しなければなりません。
このような厳しい作業環境、低迷する市況等の影響で、養蚕農家数は全盛期の500分の1、その平均年齢は73歳を超えようとしています。
現在 桑の苗木を育生しているのは、唯一 群馬県富岡市の大竹文明さんのみとなりました。 ちなみに(年間約3万5千本を出荷しております。)
 この危機的状況にある養蚕農家を少しでも応援するため、当組合では桑の苗木を植樹する計画をたてました。
又 この桑の木は、多量の二酸化炭素を吸収し、たくさんの酸素を放出する特性があり、環境にも優しい今回の企画であり継続的に実施していく計画です。
 どうか以上の主旨をご理解いただき、桑の植樹プロジェクトに、ぜひご賛同ご参加下さいますようお願い申し上げます。

主 催  日本蚕糸絹業開発協同組合

 今、国内の養蚕農家は、低収入・高齢化・後継者不足などにより、毎年15%位の割合で減少している現状です。

このままいくと近い将来、日本の伝統文化の「きもの」の原点「絹」が、全て海外からの輸入品になってしまい、国内産のものは無くなってしまいます。