世界絹遺産

一粒の蚕の卵が一匹の蚕、一粒の繭になり、特徴ある一本の絹の糸になり、伝統の技で織り上げられ染められて一枚の美しいきものになっていきます。

その道のりの間には多くの人々の手がかかっています。

群馬の誇るブランド生糸「ぐんま200」と「上州絹星」をたて・よこに使い、ちりめんのふるさと丹後の伝統ある機場でその技術を生かし丹念に織り上げられた紋意匠ちりめん白生地です。

「ぐんま200」「上州絹星」それぞれの一本の糸にも、それぞれの表情があります。その糸と糸とが重なったときに生まれる絹の不思議。連綿と繰り返されてきた絹の歴史に育まれてきた不思議です。

そして、明治5年に操業をはじめた群馬の旧官営富岡製糸場と絹産業遺産群が長い道のりを経て平成19年世界遺産登録暫定リスト入りを果たしました。伝統の継承と創造の心を大切に、多くの人々の想いを込めて、この新しい一枚の布に「世界絹遺産」と名づけました。